60日で受かったPMP ~ 緊急事態時のマネジメント

2020/05/14

資格

緊急事態時におけるPMガイド(PMI日本支部)について、後学のために紹介します。

不確実な状況を切り抜けるガイド

1.不確実性を受け入れる

まず自分が制御できる範囲を知りましょう。

2.変わらないものに目を向ける

すべてが混とんとしているように見えますが、そんなことはありません。明日は来ます。

3.息をする

日常生活を続け、気力体力を養いましょう。

4.やるべきことに優先順位をつける

続行すること、注意を払うこと、そして先延ばしにできることを見極めましょう。

5.不確実なことが重要とは限らない

どうしようもないことには、何もできません。今それに取り組むべきなのか考えましょう。

6.不確実なことに対して、知っていることを挙げる

不確実な状況でも、部分的に知っていること、推定できることもあるはずです。

7.不確実なことに対して、知らないことを明確化する

本当に分からないことは何なのか。分からない理由を考えれば、できることが見えてきます。未知と既知の間に、リスクや問題として扱うべき領域があります。

8.最悪から最良まで幅広に考える

在り得る可能性を挙げてみましょう。

9.現実は必ずしも極端ではない

現実は通常、悲観と楽観の間のどこかに落ち着きます。ただし、その極端が現実化することもあるので注意が必要です。

10.好ましい結果に向かって前進する

最悪のケースから遠ざかり、より良い結果に近づくためにできることをしよう。

11.状況を明確にする方法を探す

大きな不確実性を、一連の具体的な質問に分解して、状況に対する理解を深めていきましょう。

12.書き出して脳を解放する

自分で分からないことは、質問を明確化し、いつどこで誰に聞くのか書き出して、考え過ぎないようしましょう。

13.今できることに集中して前進する

捉えどころのない問題で途方に暮れるよりも、意味のあることに取り組みましょう。外堀を埋めて、立ち向かう道筋が見えてきてから、その問題に挑む方が生産的です。

リモートワークでのマネジメントをどうするか

1.プロジェクトの中止を検討する

メンバの健康と安全を第一に考えて、中止又は延期をスポンサーに進言することも選択肢です。PMはやり遂げたいという思いが強いでしょうが、正しい判断とは何かを考える必要があります。
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2.リスクマネジメント計画を見直す

既存のリスク登録簿では、これほどのパンデミックは想定されていなかったでしょう。現状に合わせたリスクの精査が必要です。追加費用や要員が必要ならすぐに言うべきです。遅くなるほどに経費削減の圧力が高まります。

3.リモートワークでの働き方を工夫する

対面のコミュニケーションができない状況で、最低限の進捗管理だけをWeb会議で行うのはよくありません。チームメンバの状況を理解することが重要で、物理的な距離はとっても心情的な距離をとってはいけません。

4.休息をしっかりとる

在宅勤務は長時間労働になる可能性があります。健康と創造性を維持するために、始業時間と就業時間、それに日々の目標を決めることが重要です。例えば、毎日価値ある成果を3つ出すという目標はいかがでしょうか。

5.リモート環境の装備を充実する

ベテランPMはリモートワークにも慣れているかも知れませんが、チーム全員が慣れているとは限りません。まだ暫くこの状態が続くと考えて、ヘッドセットや追加モニタの購入、ネットワークの増強やクラウドサービスの利用なども検討してはいかがでしょう。

6.情報源を見極める

COVID-19について大量の情報を見るよりも、2,3の信頼できる情報源に絞るとよいでしょう。また、知って役に立つ情報なのかを考えて自ら選別する必要があります。

リモートワークでのチーム維持をどうするか

世界中の人々が急遽在宅勤務を求められ不慣れな環境で苦労しています。 まずは完璧を求めるのではなく、寛容さと妥協、柔軟性が必要になります。 普段同じ職場で働いていれば、ちょっとした挨拶や雑談でプロジェクトメンバの表情を読み、状況把握に必要な情報を得ているでしょう。 これができなくなると、計画や調整を緻密に行ってリスクを減らしたいと思うのがPMのサガかも。 ところが、それはマイクロマネジメントにつながって、メンバのやる気を削ぎ、信頼を失う可能性もあります。

このような状況における著者Andyからのアドバイスは、制約があることを率直に伝えて協力を求めること。 不慣れな環境下で生産性が落ちるのは当然なので、情報共有や意志伝達、作業の進め方を徐々に調整、改善していく必要があります。リモートワークでのチーム維持をどうするか、ファイル共有や資料のバージョン管理など基本的な環境整備と管理の仕組みでストレスを減らすことも重要です。 打合せの場で当面の課題だけを議論するのではなく、作業項目をチーム全体で共有することも大事です。

最後に、チームとして楽しむことも必要です。


引用元サイトのご紹介

  • "Navigating in Uncertainty: A Survival Guide”, Mark Mullaly, ProjectManagement.com, 2020年4月1日
  • "Navigating Crisis Without Sinking: 6 Practical Tips for Project Managers", Bruce Harpham, ProjectManagement.com, 2020年4月22日
  • ”Maintaining Teamwork Remotely”, Andy Jordan, ProjectManagement.com, 2020年4月8日

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