老子と韓非子と孔子の言葉に学ぶ

2013/01/27

基本知識

老子と韓非子と孔子の言葉に学ぶ。


老子 タオ(道)の生き方


「自分と争わない力」を身につける
 人生で一番 長くの時間をともにするのはだれだろう?
 それは、他のだれでもなく「自分」。

 短期的に自分とつきあうだけだったら「強さ」で乗りきれるが、
 長期的に、自分とつきあうには"しなやかさ"がいる。
 他人の目、自己卑下、義務、罪悪感。あなたはそれらを満たそうと、
 「強さ」で戦っていませんか?
 まっすぐな枝は強くても、力をかけるとポキッと折れてしまう。
 しかし、しなやかな竹なら、力をかけても、柔軟に曲がり、それでいて強い。

 いつも心を内省し、変化を受け入れ、
 足るを知り、自分に満足して、信頼しながら「流れ」に身を任せる柔軟性をもつ。
 心と争わない。満たさなくても良しとする。

 そう決めると、一周回って、たいていの気苦労は消えていく。


「無為」 余計なことを為す無かれ
 心が消耗するのはどうしてだろう?
 それは「自分の思い通り」にコントロールしようとして、
 それが実現しないと絶望するからではないだろうか?

 コントロールするべきでないものをコントロールしようとしない。
 ベストを信頼し、余計なことを為さ無い(無為)。
 そもそも、余計なコントロールをしても、うまくいかないし、
 余計なコントロールをしなければ、それぞれが最高のタイミングで、
 自発的に動くはず。


 できることだけをやったら、あとは天に身を任せ、それで良しとする。
 余計な心配はせず、余計なことをしないほうが、無用な負荷が減ってうまくいく。


すべては「回帰」のプロセス
 がんばって他のだれかになろうとしても、長くは続かない終いには
 ヘトヘトになって、倒れてしまう。

 誰かに「成る」ことより、自分で「在る」ことが大切だ。
 すべては原点回帰のプロセスで、「自分らしさ」の方向に進んだほうが、
 もっと自然にうまくいく。

 「大それたこと」をやってやろうだなんて焦った野心をもつと、
 グラつきへたばり、嫉妬を買って打ちのめされる。
 どんな偉業も、普通の人が、小さなことを、自然に積みかさねてできたものだ。

 「自分は特別」だという思いを捨てると、楽になる。
 特別にあつかわれなくてもカッとこないし、特別を証明できなくても落ち込まない。
 そうした心の平穏のなかで、淡々と続けるなかに力が生まれ、
 「自分らしく成功する」道がある。
 
三笠書房「人生をシンプルに変えよう!」より

韓非子 リーダーのための韓非子


手柄を立てたものには賞を与える」「失敗を犯したものには罰を加える」
 この権限をしっかり自分の手に握っておくこと。そうすれば、 思いのままに部下を操縦することができ る。「君主が、賞罰の権限を臣下に委ねてしまったら、国中がその臣下を恐れて、君主を甘く見る。人心は君主を去って、臣下に集まるだろう」 

勤務評定を厳しくする
 部下の申告に基づいて仕事を与え、 申告と成果が一致した者には賞を与え、一致しなかった者には罰を加える。                                 

部下に好き嫌いの感情を見せてはならない
 君主が臣下に好悪の感情を見せると、 臣下はそれに自分を合わせて取り入ってくる。それでは、臣下を使いこなすどころか、逆に臣下に使われてしまう。 

時には部下に、 思いもよらぬことを尋ねてみる
 宋の国の宰相が、部下に命じて市場の見回りをさせ、帰ってくるなり尋ねた。
 「市場にはなんぞ変わったことでもなかったか?」
 『いえ、何もございません。そういえば、市場の外は牛車でいっぱいで、やっと
 通れるくらいでした』 
 「よし、誰にも言ってはならぬぞ!」。宰相はそう言い含めておいて、市場の
 役人を呼び出して、叱り付けました。
 「市場の外は、牛の糞でいっぱいではないか、早く片ずけるがよい」
 役人は、宰相がこんなことまで知っていることに驚き、それ以後職務を怠らな
 くなったという。 
 知っているのに、知らないふりをして尋ねてみたり、嘘やトリックを使ってテストをしてみる

PHP「リーダーのための中国古典・韓非子」より



孔子 孔子の教え


過ちを犯さないための「七常の心得」
・「仁」思いやりをもち、相手の立場や気持になって考える。労苦を先にして利得を後にする。
・「義」人として行いは正しく、そのための犠牲もいとわず
・「礼」謙虚にでしゃばらず、鼻にかけず、人を見下さない
・「智」智恵と判断力、洞察力を磨く
・「信」誠意をもって自分を偽ることなく、約束を守る
・「勇」私欲を捨て、決断力をもって事に当たれ
・「寛」寛大で寛容な心をやしなう

行動
・「過ちに気がついたら、改めるのに誰にも遠慮はいらない」
・「誰にも過ちはある。過ちに気付きながら改めようとしない。これが本当の過ちだ」
・「つまらない人間は、過ちをすると、言葉巧みに言い逃れをしようとする」
・「自分をたびたひ省みて、よくないことは省いている…」 ※PDCAサイクル
・「自らの言行に責任を持て」
 自分の言行に責任を持つなら 出来もしないことをむやみに口にしない
・「千里の道も一歩から」 
 無理に速くしようと思えば目標には到達できない。
 目先の利に囚われると大きなことは完成しない
・「地位のないのを気にするよりも、なぜ地位が得られないかを考えるがよい。自分を
 認めてくれないことを気にするよりも、どうすれば認められるのかを考えて努力することだ」
・「先師は常に、私意、執着、頑固、自我の4つを絶たれた」
 こだわりをなくすと正しい判断ができる
・「実行前は、細心な研究・調査・計画のもとに、充分な準備をする。
 その際には、あたかも”小心”と思えるほどに行なう。
 実行段階に至っては一切の不安を捨て、一気呵成に行なう。
 そして、成就の後は油断せず、緊張感を持続する」※勝海舟

人格
・「温故知新」古いことを尋ねて、そこから新しいことを知る者は、人の指導者になれる
・「徳のある者は決して孤立することなく必ず思わぬところに、これを知る者が現れるものだ」
・「掃除はしておるか」「素直な心になれ」
 日常の生活を正しく積み重ねることで、その境地に到達※松下幸之助
・「人は、大きな危難に遭遇してはじめて、その真価がわかる」
・「"正直な人"を友達とし、"誠実な人"を友達とし、"物識りの人"を友達すると、益になる」
・「論語読みの論語知らず」
 少々論語をかじったくらいでは、孔子が意図する意味など到底理解できない


「吉村外喜雄のなんだかんだ」より



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